皆既月食と惑星食が同時に見られるのは442年振りということでテレビでもさかんに報道されていました。マスコミは何百年ぶりとか今世紀最後とかキャッチーなコピーが大好きですから。本能寺の変の2年前だそうですが、肉眼ではほぼ見られない天王星食を「織田信長も見ていたかも」はさすがに盛り過ぎでしょう・・・
しかし実際、皆既中の惑星食が激レアなのは確かです。普段の星食は真っ暗な暗縁と星の光をかき消す明縁ですので、月縁が程良く見えた状態で潜入と出現が両方見られるというのは星食好きにはたまりません。
以下は実際に撮影した画像です。すべて赤道座標、上が天の北です。
自宅の庭で観測したため、部分食の開始時はまだ屋根の影、ようやく見えてきた時にはすでにだいぶ欠けていました。
19時08分、皆既まであと8分あまり。もう一息です。
皆既になる直前の画像の彩度を上げてみました。
よく分かりませんが、欠け際のブルーっぽい色がターコイズフリンジでしょうか。
皆既になって5分後。まだ本影の縁に近いため、右側はかなり明るいです。
食の最大を7分ほど過ぎたころ。(食の最大は撮り忘れました)
このくらい月面の輝度差が減ると、いかにも「皆既月食」という雰囲気になります。
月の左側にある一番明るい星が天王星です。他にもいくつか明るい星が写りこんでいます。天王星が5.6等星、その左下の星が6.9等星、月の右側の星が6.3等星です。
そして皆既の後半からは撮影を天王星食モードに切り替えます。
先週の恒星食でのテストでISO感度2300~5000くらいでと言っていましたが、それだと皆既中の月面がほとんど写らないことが判明。絵的に面白くありません。
当初予定していたEOS R6だと動画の感度は25600まで、拡大でFが暗くなると感度不足です。
そこで、急遽カメラを高感度番長のα7SⅢに変更。天王星の色を出したかったのでテレコン2段重ねで無理やり拡大し、思いっきり感度を上げて撮影しました。
天王星のブルーが何とか分かるかと思います。
動画はYouTubeにアップしました。
月食終了時刻から7分後。
まだけっこう欠けている印象です。月食は日食と違って欠け際がはっきりしないので何を持って開始、終了とするのか微妙です。
月食終了時刻から19分後。
まだ右下がだいぶ暗いですが、きりがなさそうなので撮影終了です。
次に月食中の惑星食が起こるのは322年後とのことですが、調べてみると惑星食の中でも一番見ごたえのある土星食です。う~ん、これは見てみたかった。