皆既帯がアメリカ合衆国の西海岸から東海岸に抜けていく、まさにアメリカ横断皆既日食という事で遠征場所も選び放題でした。
私は、それまで数年間一緒に行っていた友人が家族旅行で行くという事で、同行者がおらずどうしようかと迷っていました。
そんな時、別の星仲間が大学の天文部OBのグループでツアーに参加すると言う話を聞き、ご一緒させてもらうことにしました。
遠征先はイエローストーン国立公園の南西に位置するアイダホ州レクスバーグ。最寄りの空港があるソルトレイクシティから400キロと距離がありますが、さすがアメリカ、ハイウェイ網が完備されているので途中の買い物休憩を入れても4時間かからないアクセスの良さです。
ホテル入りは日食の2日前、日食の前日は1日かけて準備ができます。
観測場所はホテルに隣接した空き地、ホテルの裏口から1分ちょっとで行き来でき、ホテルの建物以外は360度地平線近くまで見渡せる絶好のロケーションです。
また、24時間体制の警備付きで前の晩からの機材セッティングも可能です。
理想的なロケーションに万全の事前準備、当日も快晴という最高の条件で皆既を迎えることが出来ました。
結果、13種類用意していた撮影プログラムのうち、完全な失敗は1台のみという大成功と言ってよい結果になりました。(問題あるけどまあ、というのは何台かありましたが・・・)
このあたり、体力温存を優先した結果日食当日に現地入り、山に囲まれて視界も限定されていた2019年7月のチリとは対照的です。
やはり余裕を持った日程と観測地のロケーションは重要だと今思い返しても痛感します。
動画については、YouTubeにアップ済みです。(主なものだけリンクを貼ります)
観測の様子はこんな感じです。
ほとんど収集がつかない台数ですが、全て自動撮影なので皆既の3分前には撮影を開始し、あとは直前にNDフィルターを外せば何もやることはありません。
この日食の1サロス前は1999年のヨーロッパ横断日食、1サロス後は2035年の本州横断日食です。5年経ったという事は日本での皆既日食まであと13年、だいぶ現実味を帯びてきました。