先週、日食情報センターの「日食情報」2023年No1 が届きました。
表紙の目次にあるように、Topaz AIソフトの日食画像・映像への適用について紹介記事を書かせていただきました。
Topaz AIソフト(Photo AI/Video AI)は機械学習AIにより画像/映像のノイズ除去、解像度アップ、シャープネス向上を行うソフトです。
以前からブログにも書いていますが過去の日食/オーロラなどの画像/映像、特にアナログビデオで撮影した映像のお色直しにこれらのソフトを使用しています。
紹介記事用に日食画像への効果をまとめてみた結果は以下のような感じです。
1.コロナ画像への効果
回転アンシャープマスクなどでコロナの流線を強調した画像、最近はデジカメの画質が良くなっていますが古いデジカメやフィルムで撮影したものは強い処理をかけると盛大にノイズが浮いてきます。
紹介記事では日食情報センターからイマイチだった画像をいくつかお借りして処理した画像を掲載したのですが、著作権的に問題があるのでここでは私が撮影した画像を処理したものを。
左がステライメージで回転アンシャープマスク処理したもの、右がその画像をさらにPhoto AIで処理したものです。
流線が更に強調されているにも関わらずノイズも減っています。また、月の輪郭の改善も大きくパープルフリンジもきれいに消えています。
2.プロミネンスへの効果
太陽全体を撮影した4K動画を思い切りトリミングしてプロミネンスの拡大動画を作成しましたが、さすがに像が甘くなります。
そこで、Video AIで再度アップスケールしてみました。
オリジナルに比べるとプロミネンスの構造がだいぶはっきりしています。
3.インターレース動画への効果
NTSCのビデオカメラで撮影した動画などインターレーススキャン動画は、PCで再生すると動きのある部分が縦縞ノイズになってしまいます。
Video AIではAIによる補完を行うことで解像度となめらかさ両方取りのプログレッシブ動画を作成してくれます。
日食画像ではあまり用途はありませんが、撮影中の操作でブレた部分には効果がありました。
ただ、この機能が本領を発揮するのはやはり手振れ補正がない時代のスナップ動画です。
4.ブレた動画への効果
長焦点による強拡大の動画は撮影中の操作や同架したスチルカメラのミラーショックなどでブレブレの失敗動画になりがちです。
安価なビデオ編集ソフトの手振れ補正ではほとんど効果が無かったのですが、Video AIの手振れ補正では強力に補正してくれます。
静止画だとイマイチ効果が分かりませんが(紙面だとここらが限界)、こちらの効果はYouTubeにもアップしてあります。
5.日食以外の動画への効果
アナログ時代、CマウントのモノクロCCDで撮影したノイズだらけのオーロラや流星にも絶大な効果がありました。
Video AIとPhoto AI両方で約500ドル、円安のおかげでちょっと高価ですが毎年ブラックフライデーには半額近いセールを行っていますし、かなり使い出のあるソフトです。