昔撮影した日食やオーロラの動画、特に8ミリビデオなどアナログ時代の動画は現在では解像度、ノイズなど鑑賞には厳しいものが多数あります。
そこで昨年から、AIを活用したアップスケール&画像復元ソフトであるTopaz Video Enhance AI を使用した処理(お色直し)を進めています。
Topaz Video Enhance AIはSD動画からHD動画へのアップスケールと同時に解像度アップ、ノイズ除去、インターレス解除などを行ってくれる優れもので、スチル用のDeNoise AI、Gigapixel AI、Sharpen AI と共に必要不可欠なソフトになっています。
先日、Topaz Video Enhance AI がバージョンアップしてTopaz Video AI にリニューアルしたので、さっそくダウンロードしました。(購入から1年間の無料バージョンアップ期間中のため無料)
Topaz Video AI では従来機能のブラッシュアップに加えて新機能としてSrabilization(手振れ補正)が追加されました。
以前から日食の拡大撮影では露出変更などで手を触れるため盛大なブレが発生するのが問題でした。特にフィルム時代は同架したスチルカメラの振動も伝わり鑑賞に耐えない動画を量産していました。
一般の動画編集ソフトにも手振れ補正機能はありますが、実用には程遠いものでした。
前置きが長くなりましたが、AIの威力はどんなものかと早速手振れ補正を試してみました。
テストに使用した動画は、80-400mmのズームレンズに監視用CCDを付けて2000mm相当で撮影、DVテープに記録したもので、スチルカメラ2台と同架して強拡大したため盛大にブレまくっています。
今回、Topaz Video AIを以下の設定で処理しました。
720x480 → 1920x1080にアップスケール
Srabilizationオン
その他の補正はデフォルト
元動画は比較用に補完なしで1920x1080に変換しています。
まずは、動画から切り出した静止画でアップスケールの効果です。
補正前
補正後
PCの画面等で見ないとわかりにくいですが、解像度は確実にアップしておりノイズもかなり減っています。
そして肝心の手振れ補正ですが、YouTubeに限定公開の動画でアップしました。
補正前
補正後
完璧とは言いませんが、十分に鑑賞に耐える動画になっていると感じました。
これは使えそうです。
ただ一つ大きな問題が・・・
Topaz Video Enhance AIの頃からとにかく処理が重く、昨年グラフィックボードをGTX1050Tiというそこそこ性能の良いもの(と言ってもゲーマーさんから見ると中の下くらい?)に変えたのですが、それでも1~2コマ/秒くらいの処理速度(1分の動画を処理するのに15~30分かかる)でした。
それが、今回Srabilizationの設定をほぼMAX(補正強度90、微ブレ補正あり)にしたら42秒の動画を処理するのに5時間以上かかりました。微ブレ補正なしだと1時間半くらいで終わるのですが細かな振動が除去できません。
グラフィックボードの価格高騰が落ち着いてきたので、高性能なグラフィックボードが欲しいなぁと考えています。